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サンチャゴ周辺の釣り場、フライタイイング、釣行や体験談などフライフィッシングについて色々と書いてます.その他サッカーや日常的な出来事もチョコチョコッと載せています。
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僕がフライフィッシングを始めたのは15-16歳の頃。
第十州のOsornoに住んでいる叔母さんを訪問するついでに前々からねだっていたフライ道具一式を購入してもらったのを覚えています。

それから数年、大学へ入学してからクラスメイトのジュリアンがフライフィッシングをすると知り彼とちょくちょく釣りに行くようになりました。内の家族や高校のクラスには僕以外だれも釣りに関心が無かったので一緒に釣りに行ける釣り仲間が出来てその当時は嬉しく思っていたなー・・・残念ながら彼は子持ちと言う大きな責任のため、ここ数年一緒に釣りに行っていません。

今回の釣行記はその当時の話です。



「おい、ムサチ!(チリ人は"し"が上手く発音できないため、"むさし"が"ムサチ"になってしまいます)
大学の期末テストの勉強で忙しくなる前に釣りに行こうぜ!!」

釣り友ジュリアンの突然の提案。
大学の勉強に嫌気をさしていた僕にとって, ストレス発散するにはこれ以上無い名案だった。

「良いよ、行こう!」

僕達の釣行は何時もこのような長い話し合いの末、行われるものだった。
目的地も同じ様な会話で直ぐにちょっと前に釣りに行ったCoyanco川と決まった。だだし、今回はテントを持って一泊二日の釣行、その為行く前からテンションが高かった。テントから出たら目の前に川が流れていて直ぐにでも釣りが出来るというフライマンの夢に出てくるシチュエーション、テンションが上がらない方がおかしい。


当日、日の出よりかなり前に家を出たが川へ着いたのは朝の8時頃。川は私有地を流れるのでちょっとした入場券を払い歩き出す。少し肌寒かったがもう30分もしたら汗濁になる筈、小鳥の鳴き声でも聞きながらこれからの釣りを思いながら二人とも無口で進む。

この川の下流では結構釣り荒らされているのでかなり上流へ行かなければ釣りにならない。しかし、今回はテントを背負っているので何時もの攻め方とはちょっと計画が違う。

僕たちが向かうのはEl calabozoだ("監獄")。

アンデス山脈の険しい谷間を流れるこの川、上流へ行けば行くほど谷が狭くなって行きます。そして谷間が一番狭まり川の横を歩けなる場所、そこがEl Calabozoです。何時もならここまで釣り上ってから釣り下がり始めます。


The監獄
オリジナルプランはこのThe監獄まで一気に歩いて行き、ここをベースキャンプとし回りを釣る。しかし、釣りキチのこの二人が川を横目に見ながら冷静にEl Calabozoまで歩ききれる訳が無い!あまりにも美味しそうなポイントを目の辺りにした二人は即座にロッドを取り出し、重い荷物を背負いながらも釣り上がっていました。
(笑)

落ち込みをデカデカのゴールド・リブド・ヘアーズイヤーで狙ったら一発でアタリが!


お見事!


負けずに僕もそこそこのサイズのニジマス君をゲット!

あまりにもコンディション+釣果が良かったので結局その日はThe監獄まで辿り着けず、暗くなる前に慌ててテントを張ってからイブニングを釣りました。イブニングと言ってもこの川ではライズを見かけたことが殆どありません。川の流速や水量が関係しているのか知りませんが、僕が覚えている限りライズを見かけたのは一・二回位でしょう。ですから僕達は派手派手な大きめなニンフで大物を狙う釣り方を行っていました。

もうすっかり暗くなってからテントへ帰り簡単な夕食を作り、明日の釣りでイマジネーションを膨らませながら倒れこむ様に寝袋へ入り就寝。

翌日、日の出と共にテントから出て清々しい朝特有の空気を吸いながら瞬時に釣りを始める。

え?朝食はって?
服を着ながらパンをかじっただけだったかな。だからとても朝食とは呼べないな(笑)(あの頃はただ釣りがしたかったので本当にせかせかしていたんですよ・・・今はどうかな?)

テントの前で川への挨拶代わりのニジマス君を釣ってから、いざThe監獄へ!!

30分釣り上がってから遂に辿り着いたEl Calabozo。大きなプールになっているから大物が潜んでいる筈。まずGRヘアーズイヤーで攻めてみるが反応無し。

なぬ!?
猪口才な、ならフェザント・テールニンフでどうだ!

しかし、又もや無視・・・

その後、手持ちのフライを全て使ってみたがアタリすら無かった。
今思えば、フライを換える度に雑になっていたプレゼンテーションのせいで釣れなかったんだろうな。

少し気落ちしたがまだ午前中、時間は十分有る。
本当ならここは一先ず釣り下がってから、遠回りになるものの安全にThe監獄を越える道を探さなければ行けなかったのだけど釣りキチな二人、そんな事をちっぽりも考えていませんでした。小休憩の後、登りやすそうな斜面を探し登山開始。


こんな感じの斜面を登りました

斜面の下のほうは砂利だらけだったので、一歩登ったら半歩ガラガラガラ下に滑る。もう二歩登ったら一歩下がる、てな感じの事を繰り返していたらいつのまにか斜面の半分まで登っていた。ふと、斜面のふもとを見るととてつもない急な崖が・・・ ヤ バ イ ・・・

ここまで来たら登るしかないので頂上を目指す・・・
頂上付近には木々が生い茂っている上岩盤が所々に顔を出している。


頂上まで後少し!

なんかもう釣りに来たのか登山をしに来たのか分からなくなっていた・・・(アホですねー)

どれ程険しかったか分かる表情

更にこれらの木々の間には枝や葉に触れるとアレルギー反応が起こり水ぶくれ+痒くなるLitreがあったので出来るだけ何にも触れないように登ったら二倍疲れた・・・

30分後、無事に頂上へ到着


結構な高さですよね

こんなに苦労したんだからこれからの川はパラダイスに違いない!
と自分に言い聞かせながら川へ着いたら今までの川よりも数段素晴らしかった!!・・・ら良かったんだけど、今まで釣り上がってきた川景色とあまり変わらなかった(当たり前ですよね)。

しかし、ファーストキャストでそれが間違いだったのが直ぐに分かった。ジュリアンが落ち込みに極太のGRヘアーズ・イヤーをキャストしたらフライが沈む前にバシャ!!!


デカイ!

測りはしなかったものの尺以上の綺麗なニジマスだった。このサイズになるとファイトも数段激しくなり派手なジャンプを見せ少し手こずったものの無事にランディング成功!

この後入れ食い状態が随分続き気が付いたら3時近くになっていた。流石にもう満足していたので釣り上がるのを止めて川を下りだす。夢のような釣果のおかでで話は弾み二人とも上機嫌。スキップでもしながらどんどん下っていったら突然ある事実に気がついた。

監獄を通らなければテントまで行けないではないか!!
来た道を帰り、今度はあの斜面を降らなければいけないのか?いや、あんな危険な所降れる訳が無い。その上、また頂上まで登るのは気がひく・・・となれば進むべき道は一つしかない・・・The監獄を突破するんだ!

夏が近かったので別にズブ濡れになっても寒さを気にする事は無かった。ただ釣り道具やデジカメをどうするかと悩んだ、と言ってもどうにかなるだろうと思っていたので気楽に滝つぼまでしっかり釣りは続けた(笑)。


The監獄を通らなければいけないのに気楽に釣りを続けるジュリアン

上の写真中央に見える大きな岩のを越えるとそれ以上は進めません。大きく深いプールがあるだけ。
しかしやはり気楽な僕達は何を考えているのか、結構危険な岩越えを行っている最中に記念撮影・・・

写真撮ってる僕もポーズをするジュリアンも本当にアホな二人組みですね
結構危険なのにジュリアンは笑顔

大岩を越えた後、水に飛び込む準備を始めるお馬鹿さんな二人。僕は上着を全て脱ぎなるべく濡れない様首に巻きつけ、ベストのポケットがを全て閉めているのを確認した。ジュリアンはサンドイッチを入れて持ってきたジップロックにデジカメをいれ輪ゴムでなるべく密封した。これで準備OK。

準備の整った後、何処に飛び込むかプールをジックリ観察。竿を持って二人同時には飛び込めないので僕がまず飛び込んだ後、ジュリアンに竿を渡してもらうと決める。さあ、行くぞ!

スボーン!


なるべく服が濡れない様に平泳ぎでゴー!!

後少しで着く、頑張れムサチ!

水はそこそこ冷たかった物の、無事に監獄を泳ぎきった。

「大した事無いぞー、早く来いよ!」

とジュリアンに叫ぶが結構戸惑っているのが遠くから分かる。僕もデジカメを持っていたら戸惑うだろうな。しかし、もう後が無い。

潔く飛び込んだジュリアンは僕よりも賢く、壁伝いに進んだ。こうすると、デジカメを持っている片手を水に沈めなくても良いが、壁には苔などがついている為つるつるするので簡単には進めない。苦労しながらも確実に進んでいたので岸に上がって服でも乾かそうかと移動しだしたら突然

シュポ!

変な音がしたのでジュリアンの方を見ると、デジカメを持った片手しか見えなかった。
潜水艦の望遠鏡みたいに水面から飛び出していた右手は少しずつ動いていたものの、進むスピードがあまりにも遅かったので飛び込もうと思ったが幸い水深の浅くなっている所まで辿り着いたのでジュリアンの顔が浮かび上がった。ホッ

無事に渡りきった後、服が乾くのを待ちながら日光浴をした。

The監獄には二人の笑い声でいっぱいだった・・・


それ以来El Calabozoを越えたことは無い。
今シーズンにはぜひとも行ってみたい。なぜならこの釣行の帰り際、現地の釣り人と話をしていたらいい物を見せてあげるからおいでと言われ家まで着いて行った。そこで見たものは、50cm級の雄のニジマスだった!ただし、馬に丸一日乗らないとそのポイントまで行けないけどね。




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男性
誕生日:
1982/10/26
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水産学科
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フライフィッシング、サッカー、水泳、ランニング、テニス、etc...その他読書、映画鑑賞、テレビゲーム
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